ドックフードを食べるアルバイトを体験した話

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ドックフードを食べるだけのアルバイトをしていた時期があります。



何を言っているのかよくわからない?
それではもう一度言いますね。

ドックフードを食べるを食べるだけのアルバイトをしていた時期があります。

というわけで、たまにペットショップにある試供品(ペット用)を食べそうになるソライヌです。
今回は過去に体験したドッグフードを食べるアルバイトの体験談をつらつらと書いていこうかなと思います。
お前、名前がソラ「イヌ」なんだからドッグフードくらい平気だろって突っ込まないでね。

なぜこんな奇天烈なアルバイトをすることになったのか。
そしてどんな内容だったのかを記憶を遡りながら少しだけお話しさせてください。

体験記を綴る前に注意事項を。
過去のことなので若干記憶があやふやです。
それから詳細な企業名や商品名は伏せさせていただきます。
(さすがにこの記事を見て「うおぉー!!ドックフードを食べるバイトやりてぇー!!どこでやってるんだー!!」となる方はいないと思うので…)

あくまでもこの記事に書いた体験談は一種のエンタメとして消化していただければ嬉しいです。


そもそもなんでドックフードを食べるアルバイトをすることになったのか。
自身の背景と経緯。

多くの人が真っ先に疑問で思うであろう
「なんでそんなアルバイトをすることになったの??」
この疑問に答えるには自身のアルバイト履歴を簡単に語るところから始まる。

私が初めてアルバイト先に選んだのは地元で名をはせていた某酒屋さん。
酒屋とはいわゆるお酒を専門に販売を行う場所。居酒屋さんではないよ。
ここが「地獄」という言葉以外で表現できないレベルのブラック企業で。

当時高校生。初めてのアルバイトという経験に胸を躍らせていたのにこの仕打ち。
話が脱線してしまうので詳しい内容は記載しませんが、残業は当たり前(もちろん時給はなし)、パワハラ横行、さらには未成年に飲酒を進めるということがさも当たり前かのように行われていました。
今でこそ「こんなやばい企業、即やめるべきだろ」と判断できますが、当時は「これがアルバイトをするってことなんだな…」とそれを受け入れてしまっていた。
いわば社畜特有の精神がすり減ることでまともな思考回路にさせないパターンで発生する洗脳状態に。
しかも長期でアルバイト契約を結んだがために「辞める」と言い出しにくい状況でした。

半年近く懸命に働くもさすがに精神的にも肉体的にも耐えきれなくなり、半ば逃げるような形でこの酒屋でのアルバイトはやめることになりました。
この一件を経験してから自分の中に「長期契約でアルバイトをするという恐怖」というトラウマが植え付けられることに。
それでも遊んだり必要なものを買うためにお金は欲しい。
でも一般的に募集しているアルバイトは長期契約が基本だしな…どうするか…

そんな中で目をつけたのが「短期単発バイト」

結果的にこれが自分が求めていた最高の雇用形態だった。
確かにいちいち登録会やら説明会やらに出なきゃいけない手間はある。
さらにはこまめにアプリやメールをチェックして仕事を探さなくてはいけない。
だけど自分の好きな日にアルバイトができるし、働いたその日に給与をもらえる場合だってある。
万が一「あ、これやばいな」という仕事にぶち当たったとしても1日耐えれば、それ以降はその企業が出している求人に参加しなければいいだけだ。

清掃員、イベントスタッフ、工場のライン工、仕分けスタッフ…
こんな感じの短期バイト特有のお仕事から。
着ぐるみの中の人、映画のエキストラ、作文の添削、カットモデル…
ちょっと特殊な条件下のアルバイトもちょこちょこありました。

ちなみに後者に書いた少し変わった短期アルバイトというのは、ものすごく競争率が高い印象がある。
特殊性ゆえに賃金もほかの仕事と比べて割がいいからだ。


ッグフード試食モニターと出会った日

月日は流れ短期バイトにも慣れてきたある日のこと。
いつものようにスマホから当時登録していた派遣サイトから現在募集中の短期バイトを探していると…

「1日限定 ペットフードの試食モニタースタッフを募集しています」

(つд⊂)ゴシゴシ
 
(;゚д゚) ・・・

えっ??

何を見間違えたのかと思った。
なんかの試食会を見間違えたと思っていたんですよ。
でもそこに確かに書いてあったんですよね。
「ペットフードの試食モニターを募集しています」って。
しかも日給2万円というかなりの良価格設定。
正直自分だって働くなら楽して大金を得たいと思うものです。

…っでもペットフードの試食ってなに…??
字面だけだと過去に募集していた「自転車で公園の外周をひたすら回り続けるだけ」っていうバイトと同じ空気を醸し出しているんだけど…

普通ならこんなに給与のいい日雇いバイトだと即募集が埋まるのに、いまだ募集がかかっている。
自分と同じく様子を見ている人が多いということなのだろう。

やるやらないはおいておいて、まずは仕事内容を確認してみることに。
確かこんな感じで書いてあった気がする。

「イヌもヒトも食べることのできる新作ドッグフードを実際に食べてくれるモニターを探してます。
試食したのちアンケートを記入していただきます。
その後、時間経過とともに体に影響がないかを確認します。
終わり次第解散していただいて結構です。」

…うーん、怪しい。
今ほどペットフードに対してオーガニックや安全性といった健康面を重視した商品がそれほど多くなかった時代。
当時、こういった謳い文句で販売しているペットフードは一部のマダムたちしか買えない印象が強かった。

仕事内容を見る限りマジでペットフードを食べるだけっぽいんだよな…
でもやばい仕事のにおいがプンプンするし…
しかし日給2万円はかなり大きい…
てかペットフードって食べていいもんなのか…

やるかぁ(応募ボタンポチー)

最大の決め手はやはり日給。
正直、仕事内容によるギャンブル的な賭けはあれど「ワンチャン話のネタになるやろ。イヌだけに。」というお決まりのお気楽精神。
応募したら即メールが返ってきた。
「応募ありがとう!〇月〇日の○○時に○○駅にある○○ビルのオフィスに来てね!私服で大丈夫だよ!あと筆記用具と身分証は持ってきてね!」
的なことが書いてあった気がします。
…応募しちゃったなぁ。
地雷バイトのにおいがプンプンするけど、2万円のために頑張ろう。
そんなことを考えながら一週間後に来たるアルバイトに若干の不安を募らせるのであった。

アルバイト当日、ほんとにドッグフードを食べさせられた日

いよいよ迎えたアルバイト当日。
集合場所はそこそこ都心にあるオフィスビル。
失礼な話だが自分が想像していたよりもずっと立派なビルだった。
受付のおねーさんに要件を伝えて案内されたのはエレベーター。
「お話はお伺いしてるのでここから3階の会議室で待っててください」
とりあえず話にしたがってエレベーターに乗り込み3階へ。
するとそこにはスーツ姿の気前のよさそうな30代くらいの男性が立っていた。

ソライヌ「すみません、アルバイトで参りましたソライヌです。」
スーツの男性「お待ちしておりました。こちらにお入りください。」

次に案内されたのは会議室と思わしき場所。
部屋の真ん中に長机が設置されていて、それを囲むようにパイプ椅子が等間隔でおいてある状態だ。
私より早い時間に来たであろう、大学生ぽい男性が座っていた。
スーツの男性「お好きな席でお待ちください。」
そういったきり、部屋を出て行ってしまった。
立ち尽くしていても仕方ないので、適当に腰かけて時間まで待つことに。

集合時間が近づくにつれてポツポツと人が現れ始めた。
集められたのは自分を含めて10人前後だっただろうか。
いずれも大学生を中心としたメンバーで、割と年齢層が若かったような気がする。
これが作為的なものだったのか、はたまた偶然だったのかは真相はわからない。

集合時間になると先ほどのスーツ姿の男性がやってきて、挨拶をしながらアルバイトの説明を始めた。
だがその内容のほとんどは募集要項に書いてあったこととほぼ同じ。
新作のドッグフードが人体に影響がないかを調べるためのモニターであると。
唯一違った内容としては、
「本来ヒトが食べるものではない食品?を口にするため抵抗がある方もいるかもしれない。
そういった懸念が少しでもある場合は今ここで辞退してほしい」と。
当たり前だが、辞退する人は0人。
説明を受けた後同意書みたいなのを書かされつつ、いよいよドッグフードと対面することになった。

紙皿に乗せられた謎のペースト状の物体と記入用のアンケート用紙。
それから先割れスプーン。
問題のドッグフード、一言でいえば見た目はツナ缶。
想像していたカリカリのドライフード的な奴ではなかった。
俗にいうウエットタイプと呼ばれているものだ。
量もだいたいスプーン3杯分くらい。
なーんだ、このぐらいなら余裕で食べられるじゃん…そう思って紙皿に顔を近づけた瞬間

くっさ!!!!

気が付いてしまったドッグフード特有のケモノ臭。
はっきり言ってこのにおいをかいで食欲は湧いてこない。湧いてくるわけがない。
同じくこのにおいに気が付いてしまった人たちが同じように顔を歪めている。男梅みたいな顔してた。

スーツの男性「各自のペースで構いませんので、食べ始めてください。
食べ終わり次第アンケートの記入をお願いします。」

…だれも食べ始めない。
そらそうだ。仕事とはいえ普段なら口にしないであろう物品を目の前に出されたら困惑ぐらいする。
だがまぁ、こんなところでにらみ合いをしていたって仕方のないこと。
食べよう。早く終われば早く帰れるし。
配られた先割れスプーンでドッグフードをよそう。
汁気があるせいか、かなり柔らかそうだ。
においがより一層強くなる。
意を決して、いざ実食!!

そのお味は…

えっ無味無臭??

あのケモノ臭はどこへいった??
口に入れる前までは確かに臭かったのに、食べた途端ににおいが消えた。
いや、かすかに味はする。
なんとなーく…生臭い…なんだろう…肉とも魚とも言えない…味わったことのない臭み…

ちなみにおいしくはないです(重要)
全体的に薄味なのと圧倒的に塩味が一切ない。
ほぼほぼ無を食べているに等しい。
いや頑張って目を閉じて集中すれば味はする。
オエッと吐き出すほどの不快なまずさではない。
先ほど、においで感じた特有のケモノ臭がかすかに生きている。
あと汁を少し舐めてみると魚介の味がした。
おそらく魚の出汁をスープ代わりにでもしているんだろう。
触感はぐずぐずに煮込んだささみのよう。
でもおいしくはない。(重要)

少量だから助かった。
まずくはないけれどバクバク食べられるようなものじゃないです。
ちなみに私が食べ始めたのを見計らって、周りの人たちも恐る恐る食べ始めていた光景は今でも思い出せる。
みんなこう、何とも言えない顔をしていた。
真顔を貫く人もいれば、しわしわピカチュウ(実写映画の有名なシーン)みたいにあからさまに嫌な顔をしている人もいた。
でもまぁ表情を見ればわかる。

全員、おいしくないっておもってるんだろうな。

何なら真向かいに座っていたお兄さんはなんなら若干嘔吐いてるし。
漏れ出る「ウエッ!」という声にみんなが同じ思いを抱いていたはずだ。
「そうなるのもわかる」と。

こんな葛藤はありつつも時は流れお皿の上に載っていたドッグフードも減っていく。
そんなこんなで食べきったドッグフード。
一番初めに手を出しただけあってか、食べ終わったのも一番だった。
こんなことで一番を競いとうなかった。

前述の説明にも合った通り、食べ終わった後はひたすらアンケートを答えさせられました。
小冊子といっても差支えのないくらいボリュームのあるアンケートだったのは覚えてます。
ドッグフードの感想だけでなく、ペットに関するアンケートも含まれていました。
記述して…〇つけて…×つけて…ここは記述して…あっここも記述かぁ…てか記述が多いな…8割記述じゃないか…
30分ほどでこちらは記述完了。
筆記部分が多かったからか、学生時代の定期テストのような感覚だった。

アンケートの記入も終わってしまえば、残りは体に異常が出ないかをチェックするため会議室で待機。
この間はスマホ見てもいいし、雑談もしてもいい自由時間でした。
1時間くらい待ったかな。
待機後は口頭で体に異常がないかを確認を取られ、問題がない人から帰宅OKでした。

実質労働時間は3時間ほど。
夕方くらいには帰宅することができました。
これで2万円。
この時、めっちゃ口がケモノ臭かったのを今でも覚えている。
今と違って日常的にマスクをつけているような世界ではなかったので、「とにかく口を開けてはならない…!」とよくわからないゲームの縛りプレイをしている感覚で帰路に着くこととなったとある日の出来事でした。



後日談とか

で、この後イヌになったってわけ。

…とかそういう異常変異とかは一切起こることはなく、キチンと振り込み日にお給料も振り込まれておりました。

その後は、似たような仕事は見かけることはありませんでした。
まぁしょっちゅうドッグフードを食べるアルバイトがあっても困りますけども(笑)

ドッグフードを食べるだけ(おまけでアンケート記入もアリ)で2万円。
皆さんは体験してみたいと思いますか?

ちなみに私の答えは「NO」です。

確かに肉体的疲労はないし、数時間の苦行で大金を得ることができる。
でも、個人的に精神的疲労感は今まで体験したアルバイトの中でベスト5に入るレベルに匹敵します。
あとは絶対的な安全とは言い切れない仕事ではあるので…
「万が一」が起こらないとは言えない。
本来、人間が食べることのないドッグフードを食べたことで出てくる異常…とかがある「かも」しれない。
そもそも言ってしまえば、私たちが行ったアルバイトは「テスター」
いわば治験と同じようなものといえるのではないでしょうか。

そんなわけで、以上がドックフードを食べるアルバイトの体験談となります。

そしてこの一件で味をしめたソライヌが特殊なアルバイト(心霊スポットの清掃、遺跡の発掘スタッフ…とか)を経験することになったり、なぜかまたドックフードを食べることを強要されるのはまた別のお話。

くそ記事

Posted by sorainu