【教えて】むかしのインターネット文化「キリ番踏み逃げ厳禁」ってなぁに?

2000年頃のインターネットに存在した不思議な文化

たろうくん:とっても元気な小学生。

ケンタ兄さん:パソコンに詳しいカッコイイお兄さん。

たろうくん キリ番踏んじゃう の巻

今日も楽しくネットサーフィン♪
おや? なんか変なサイト発見! ……ポチッ

あなたは10000人目の訪問者です! だって!
わぁ、ぴったりキリの良い数字! ラッキー!

よかったね! たろうくん! キリ番ゲットだ!

キリ番ゲット? なにそれ?
……あっ、てかもうこんな時間! そろそろ寝なきゃ!
おやすみ! ケンタ兄さん!

……おっと、それはいけないね? たろうくん。

え?

アクセスカウンター下の注意書きをよく読んでみようね。

キリ番踏み逃げ厳禁って書いてあるね!!!!!!

え! なに?! どいういうこと?!

約束を守れない子には お仕置きが必要だね。

ギャアアアアアアアアアアアアアアアッ

天国のたろうくんへ

キリ番とはキリがよい番号の略だよ。
10、100、500、とかね。

今では見ることが少なくなったけど、昔の個人サイトには、
そのサイトに足を踏み入れた人数をカウントする「アクセスカウンター」というものが
必ずと言っていいほど設置されていたんだ。

アクセスカウンターの番号がちょうど「キリ番」になったときにサイトにアクセスした人が、
キリ番を踏んだということになるわけだね。

キリ番を踏んだ人は、そのサイトの管理人(作者)に報告をすることで様々な特典をもらうことができたんだ。定番なものだと「トップページに名前を載せてもらえる」「記念イラストを描いてもらえる」とかね。

……。

さぁ、ここからがたろうくんの犯した罪についての説明だね。

ここまでの話を聞けば「キリ番踏み逃げ厳禁」という言葉の意味もわかってきたんじゃないかな。

そう、一部のサイトでは「キリ番を踏んだにも関わらず報告をしない」という行為を禁じていたんだ。

意味がさっぱりわからない?

……そう思うのも無理はないね、だってたろうくんは、好きでキリ番を踏んだわけでもないし、そんな面倒なルールを勝手に押し付けるだなんて非常識だと思うよね。

でもそれが、個人サイト内謎ローカルルールがはびこる混沌のむかしインターネット。


かわいそうなたろうくん。

お墓にはキミの大好きだった雪見だいふくをお供えしておくね。


ケンタ兄さんより

今日の学び:キリ番踏み逃げすると死ぬ

なんて理不尽なルールなんだ。
トホホ……。